どうしても「おしい!広島県」が浮かんじゃうよね。参加者が口にしたのは、2012年に話題になった広島県観光PRキャンペーンのキャッチコピーだ。
ツアーの後半はメインワークの「たくさんの広島」。ステレオタイプに引っ張られつつも、参加者たちは、情報の「地」を変えながら多様な広島の魅力をあげていく。
単身赴任中の参加者は「まだ引っ越してきたばかりだからあまり浮かばない」と唸り声。スマホ片手に広島の名所を検索しながら、周囲の様子を伺う。
そのころ隣の参加者が広島育ちの視点を活かしてあげていたのが「川沿いをサイクリングするのが気持ちいい」。そこに「街がコンパクトだから通勤にも自転車が便利」と新たな魅力を付け足した。単身赴任、すなわち「広島で働く人」という「地」が活きた瞬間だ。
最後のワークは、書き出した「たくさんの広島」の中から3つの情報を選択して三間連結でオーダーをつくったり、三位一体でまとめあげる。「市内を走る路面電車」「弥山からの眺め」に加える3つ目の情報を考える。
テーブルコーチの浦澤美穂師範は「たとえば『景観』を情報の地にするのはどうでしょう」と参加者に声をかけた。すったもんだのすえに最後に加えたのは「西条の酒まつり」。「あの酔っ払いたちの様子は絶景です」と意外な一枚が引っ張りこまれた。
「広島の歴史の『らしさ』は入れたい」と発言する参加者もいた。原爆ドーム、街でみかける折り鶴のモチーフ、平和公園に抜ける100M道路。すべて忘れてはならない記憶につながる。
完成したキャッチコピーのひとつは「いちにちイイ気分広島」。水路沿いの風は心地よく、夜は美味しいお酒に酔える。その日一日の街の景色はかけがいのない歴史を包み込む。見事に広島の「らしさ」が凝縮されたコピーが出来上がり、笑顔でワークが締めくくられた。
2時間半のツアーを終え、参加者たちは再び街に出ていく。情報の地と図、アワセ・カサネの方法を知ったことで、見慣れた景色に一風異なる味わいを感じたはずだ。
浦澤美穂
編集的先達:増田こうすけ。メガネの奥の美少女。イシスの萌えっ娘ミポリン。マンガ、IT、マラソンが趣味。イシス婚で嫁いだ広島で、目下中国地方イシスネットワークをぷるるん計画中。
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